PayPayには送金機能があり、手軽に個人間で残高を送り合うことができます。
手数料無料で1円単位で送ることができるため、大変便利ですが、「送金しようと思ったのにできない」というトラブルに見舞われる人も少なくないようです。
そこでこの記事では、PayPayの基本の送金方法と、送金できない原因別の対処法を、エラーメッセージと合わせて解説していきます。
また、送金・受け取り機能を使うとき知っておきたい便利な設定や、送金できないPayPayポイント残高の賢い活用方法もご紹介しますので、ぜひお役立てください。
PayPay残高を送金する基本の方法
PayPayの残高を送金する方法には、以下の3つがあります。
- QRコードを読み取って送る
- 電話番号やPayPayIDに宛てて送る
- URLを共有して送る
まずは、それぞれの基本的な送り方を見ていきましょう。
QRコードを読み取って送る
送る相手のQRコード(マイコード)を読み取って残高を送る方法です。
送る相手と一緒にいる場合に、手軽に送金できます。
- ホーム画面で[スキャン]をタップ
- 送る相手から提示されたQRコード(マイコード)を読み取り
- 送金金額を入力し[次へ]をタップ
- 内容を確認し[○○円を送る]をタップ
以上の操作をした後、相手が残高の受け取りを行えば完了です(相手が自動受け取りの設定をしている場合は、即時に受け取りが完了します)。
電話番号やPayPayIDに宛てて送る
送る相手の携帯電話番号またはPayPay IDを宛て先として残高を送る方法です。
- ホーム画面で[送る]をタップ
- [PayPay ID・電話番号・表示名]をタップ
- 送る相手の[携帯電話番号]または[PayPay ID]を入力
- 表示される名前を確認し選択
- 送金金額を入力し[次へ]をタップ
- 内容を確認し[○○円を送る]をタップ
以上の操作をした後、相手が残高の受け取りを行えば完了です(相手が自動受け取りの設定をしている場合は、即時に受け取りが完了します)。
なお、相手が表示名を設定していない場合は、電話番号が表示されます。
URLを共有して送る
「受け取りリンク(URL)」を作成してSNSやメールで相手に伝え、そのリンクから受け取りを進めてもらう方法です。
「送る相手と電話番号は教え合っていないけれど、SNSやメールでなら繋がりがある」「SNSでコミュニケーションを取りながら送りたい」といった場合に役立ちます。
- ホーム画面で[送る]を選択
- [送る]をタップ
- [SNSで送る]をタップ
- 金額を入力して[次へ]を選択
- 内容を確認し[○○円のリンクを作成する]を選択
- リンクを送る手段(アプリ)と相手を選択
- 選んだアプリから残高を送金
この方法なら、LINEやメール、X(旧Twitter)などを通して送金できます。
PayPayが送金できない7つの原因と対処法
PayPayが送金できない原因として考えられるのは、主に次の7つです。
- 端末認証やセキュリティ設定がされていない
- 上限オーバー等で利用が制限されている
- ポイント残高を送ろうとしている
- PayPayカード以外のクレカを使っている
- 送金先が受け取り処理をしていない
- 送金先の表示名に問題がある
- QRコードが読み取れない
それぞれの詳細や対処法を解説していきます。
端末認証やセキュリティ設定がされていない
PayPayの送金機能は、安全のため、スマホ本体にロック画面などのセキュリティが設定されていないと使えないようになっています。
「端末の認証を設定してください」というエラーメッセージが表示された場合は、端末の画面ロック機能を設定することで送金できるようになるはずです。
◆iOS端末の場合
iPhoneやiPadなどのiOS端末で送る場合は、「パスコード」または「Face ID(Touch ID)」の設定が必要です。
パスコードの設定は以下の手順で行います。
- 「設定」>「Face ID とパスコード(Touch ID とパスコード)」
- 「パスコードをオンにする」をタップ
- 6 桁のパスコードを入力
Face ID(Touch ID)は、以下の手順で設定します(先にパスコードの設定が必要です)。
- 「設定」>「Face ID とパスコード(Touch ID とパスコード)」
- パスコードを入力
- 「指紋を追加」または「Face IDをセットアップ」
- 指示にしたがって指紋または顔をスキャンする
◆Android端末の場合
Android端末のセキュリティ設定は、以下の手順で行います(機種により異なる可能性があります)。
- 「設定」アプリ>「セキュリティ」
- 「画面ロック」から使用したいロックを選択
- 指示にしたがって登録を進める
Androidでは、「スワイプ」「パターン」「ロックNo.」「 パスワード」など、複数のロックから選択可能です。
上限オーバー等で利用が制限されている
「PayPay残高を送れません」というエラーメッセージが表示される場合、送金の上限額を超えている可能性があります。
PayPayで送金できる金額の上限は、以下の通りです。
過去24時間 | 10万円 |
過去30日間 | 50万円 |
たとえばある日に10万円を送金した場合、それから24時間経過しないと1円も送ることができないため、再び送金できるようになるまで待たなくてはいけません。
万が一、上限は超えていないのにこのメッセージが表示される場合、取引審査の監視に該当しているケースがあります。
その場合も、やはり時間をおいて試してみてください。
ポイント残高を送ろうとしている
PayPay残高があるのに送金できない場合、「PayPayポイント」を送ろうとしている可能性があります。
そもそもPayPay残高とは、以下の4つの総称です。
- PayPayマネー(出金可・送金可)
- PayPayマネーライト(出金不可・送金可)
- PayPayポイント(出金不可・送金不可)
- PayPayボーナスライト(出金不可・送金不可)※事実上廃止
このうち送金できるのは、「PayPayマネー」と「PayPayマネーライト」のみです。
「PayPayポイント」と「PayPayボーナスライト」は、他のユーザーに送れません。
そのため、残高が残っていても送金したい金額分の「PayPayマネー」または「PayPayマネーライト」がなければ、「PayPay残高が不足しています」というエラーメッセージが出てしまいます。
保有しているPayPay残高の種類を知りたい場合は、アプリの[ウォレット]→「PayPay資産」の[内訳・出金]からご確認ください。
PayPayカード以外のクレカを使っている
PayPayで送金できるのは、残高としてチャージされた「PayPayマネー」と「PayPayマネーライト」のみです。
普段の買い物の支払いを、残高からではなくPayPayに登録したクレジットカードで行っている場合、PayPay残高が不足している可能性があります。
クレジットカード払いで直接送金はできないため、別の方法でのチャージが必要です。
ただし、クレジットカードでも「PayPayカード」に限り、チャージも可能となっています。
後払いで送金したいなら「PayPayカード」を作るか、当月に利用した金額を翌月にまとめて支払う「PayPayクレジット(旧PayPayあとばらい)」を利用しましょう。
「PayPayクレジット」を利用するためには、申し込みと審査が必要です。
送金先が受け取り処理をしていない
送金しても返金される場合は、相手が受け取り処理をしていないことが原因だと考えられます。
PayPayの送金を完了するためには、相手の「受け取り操作」が必要です。
受け取りが完了しないまま、受け取り期限(48時間)を過ぎた場合はキャンセルされ、送った金額が送り主に返金されます。
送金してから時間がたっても、送信履歴に「友だちが受け取りました」と表示されない場合、相手に受け取り手続きをするよう声を掛けてみましょう。
アプリに届いている受け取り依頼通知、またはSNSやメールに届いている「受け取りリンク」を確認し、指示にしたがって受け取り操作を進めるよう相手に伝えてください。
もしくは、あらかじめ「自動受け取り」の設定をしておくと、1回ごとに受け取り手続きをしなくても自動的に受け取れるので便利です。
送金先の表示名に問題がある
「このあて先には送金(譲渡)できません」と表示され、PayPay残高が送れない場合、送金先の表示名に問題がある可能性が疑われます。
PayPayでは、不正利用防止・被害予防の観点から、送り先の表示名に特定の文字列が含まれている場合、送金できないように制限されているからです。
もし信頼できる相手であれば、相手に連絡の上、表示名を変更してもらうようお願いしてみましょう。
なお、PayPayでは見知らぬ相手との残高のやり取りは推奨していません。
トラブルを避けるためにも、相手が信頼できるかどうかは慎重にご確認ください。
QRコードが読み取れない
QRコードで送金する場合、QRコードがうまく読み取れないケースもあります。
その場合は、以下をお試しください。
- 相手のスマホを平らな場所に置く
- 明るい場所で読み取る
- カメラを垂直に構える
- ピントをはっきり合わせる
- 四角の枠内からはみ出さないようにする
- QRコードと端末を50センチ以上離す
- 相手のスマホ画面の汚れをふき取る
それでも読み取れない場合は、電話番号やPayPay ID宛てに送る、URLを共有して送るなど、ほかの方法も試してみることをおすすめします。
PayPayの送金時に本人確認は不要!ただし…
PayPayの送金機能を使うのに、アカウントの本人確認は必要ありません。
ただし、本人確認をするのとしないのとでは、送れるPayPay残高の種類が変わる点に注意しましょう。
送金できるPayPay残高には、「PayPayマネー」と「PayPayマネーライト」の2種類があります。
「PayPayマネー」は、本人確認済みのアカウントでのみチャージできる残高で、現金として銀行口座に出金できる点が大きな特徴です。
受け取る相手も本人確認をしていれば、「PayPayマネー」として受け取ることができ、必要に応じて出金できます。
一方、本人確認を行っていないアカウントでは、出金不可の「PayPayマネーライト」しか保有・送金ができません。
たとえ受け取る側が本人確認をしていても、「PayPayマネーライト」を「PayPayマネー」に変えることはできない点にご注意ください。
もしお年玉やお小遣いなど、出金を前提に送金する場合は、本人確認をした上で「PayPayマネー」を送りましょう。
知ってた?PayPay送金・受け取り時の便利な設定
ここからは、PayPayの送金機能を使うときに便利な設定についてご紹介します。
- PayPayIDと表示名を設定する
- 送金する残高の優先度を変える
- 複数人数で残高を送り合う
- 定期的な送金をスケジュールする
- 自動受け取りを設定する
PayPayで残高のやり取りをする機会が多い方は、より使い勝手を良くするためにも、改めて設定をチェックしてみてください。
PayPayIDと表示名を設定する
送金・受け取りがスムーズになる設定として、表示名やIDを設定する方法があります。
PayPay IDとは、アカウントごとに設定できる固有のIDです。
残高を送る際、相手の電話番号がわからなくても、PayPay IDが分かれば相手を検索できます。
設定手順は以下の通りです。
- ホーム画面で[アカウント]を選択
- 右上の[詳細]→[アカウント情報]を表示
- [PayPay ID]を選択
- 希望の IDを入力して[PayPay IDを設定する]をタップ
PayPay IDは、一度設定すると削除・変更できない点にご注意ください。
また、IDのほかに「表示名」の設定もできます。
表示名は、ニックネームのようなもので、設定した方が相手にとってもやり取りの相手が分かりやすくなります。
以下の手順で設定しましょう。
- ホーム画面で[アカウント]を選択
- 右上の[詳細]→[アカウント情報]を表示
- 「表示名」の電話番号を任意の名称に書き換え
送金する残高の優先度を変える
送金できるPayPay残高には、出金可能な「PayPayマネー」と、出金不可の「PayPayマネーライト」があります。
両方の残高がある場合、以前までは「PayPayマネーライト」が優先的に送金されていましたが、PayPayアプリのバージョン4.26.0以降では、どちらを優先して送るかを自分で設定できるようになりました。
設定しない場合、「PayPayマネー」から優先的に送られますので、必要であればアプリのバージョンを最新にした上で、変更手続きをしてください。
- ホーム画面の右下にある[アカウント]をタップ
- [送る・受け取る設定]をタップ
- 「送る設定」の[残高の種類]をタップ
- 「送る残高の種類の選択」で「PayPayマネーライト」を選択し[保存する]をタップ
相手が残高を出金できるようにする場合は、「PayPayマネー」を送りましょう。
複数人数で残高を送り合う
飲食店での割り勘など、複数人で会計を清算する場合は、「グループ支払い」の機能が便利です。
幹事がグループを作り、「グループ支払い」を作成します。
- ホーム画面で[送る]を選択
- 「送る・受け取る」画面の右下のアイコン(複数の人)を選択
- 支払いを請求するグループメンバーを選択
- 選択後、[グループを作る]を選択
- [グループ支払い]を選択
- 請求する金額を入力し、[次へ]をタップ
- 【同一金額の場合】金額とメンバーを確認し、[グループ支払いを作る]を選択
【異なる金額の場合】金額を変更し、[完了]を選択→変更後の金額とメンバーを確認し、[グループ支払いを作る]を選択
以上の操作で作成が完了し、メンバーに支払い依頼の通知が届きます。
グループチャット内の[詳細を見る]から、支払い状況の確認が可能です。
定期的な送金をスケジュールする
毎月決まった日にちに送金する場合などは、定期的な送金スケジュールを設定しておくと便利です。
以下の手順で行います。
- ホーム画面で[送る]を選択
- 送りたい相手を選択
- トークルーム右下の「+」をタップし、「スケジュール」を選択
- 「新しいスケジュールを追加する」を選択
- 送金金額を入力し、繰り返し・開始日・終了日などを設定して「スケジュールを設定する」をタップ
定期送金は、設定された日の朝8時に行われます(時間の指定はできません)。
自動受け取りを設定する
送られたPayPay残高を受け取るためには、受け取り手続きが必要ですが、「自動受け取り」の設定をしておけば何もしなくても自動的に受け取りが完了します。
以下の手順で設定しましょう。
- ホーム画面で[アカウント]を選択
- 設定から[送る・受け取る設定]を選択
- [自動受け取りを有効にする]を選択
ただし、SNSでリンクを作成する送り方の場合、自動受け取りは適用されません。
残高はあるのに…送金できないPayPayポイントの活用方法
特典やキャンペーンなどで付与される「PayPayポイント」は、残念ながら送金に使えません。
残高はあるのに送金に使えないPayPayポイントを賢く活用するには、以下の2つの方法がおすすめです。
- 街のお店で買い物に使う
- ギフト券で現金化する
それぞれ、くわしく解説していきます。
街のお店で買い物に使う
「PayPayポイント」は、「PayPayマネー」や「PayPayマネーライト」と同様、街のお店やネットサービスなどの支払いに使えます。
1ポイント単位で使えるので、一番ロスがなくお得です。
「PayPayポイント」を支払いに使うためには、設定する必要があります。
- ホーム画面の[ポイント]を選択
- 「ポイントの使い方設定を変更する」をタップ
- 「支払いに使う」を選択
- 右上の[保存]をタップ
以上の設定で、獲得した「PayPayポイント」は自動的に支払いに使われます。
または、普段は「貯める」に設定しておき、ポイントを使いたい買い物の時に支払い画面で「PayPayポイントを使う」を選択するのもおすすめです。
ギフト券で現金化する
通常、「PayPayポイント」の残高は出金できませんが、ポイントでギフト券を購入し、それを売却するという方法でなら現金化が可能です。
たとえば、オンラインのギフトショップ「ギフティ(giftee)」では、PayPayを使って「UberEatsギフトカード」や「図書カードNEXT」を購入できます。
それを「買取ボブ」などのギフト券買取専門店に売れば、スマホひとつでポイント残高を現金化できるので便利です。
以下のような手順で現金化を行います。
- 「ギフティ」でPayPayを使って「UberEatsギフトカード」や「図書カードNEXT」を購入
- コードをコピーし、オンラインのギフト券買取専門店に売却
- 買い取り代金が最短即日で銀行口座に振り込まれる
申し込みの混雑状況にもよりますが、買取店の営業時間内に申し込めば、当日中に振り込んでもらえることが多いです。
ただし、買取手数料がかかるため、PayPay残高をそのまま現金化することはできません。
換金率は買取店によりますが、70%前後が目安となります。
まとめ:PayPayの送金エラーは原因に合わせて対処しよう!
PayPayの送金ができない場合、「セキュリティの未設定」や「上限額オーバー」など、主に7つの理由が考えられます。
まずはエラーコードなどから原因を見極め、それぞれに応じた解決策を考えることが大切です。
また、PayPayの送金や受け取りに役立つ便利な設定も色々ありますので、よくPayPayの残高をやり取りする人はぜひ確認しておきましょう。
PayPay残高の中でも、「PayPayポイント」は残念ながら送金できないため、買取店を利用して現金化するなど、うまく消化する方法を見つけてみてください。